OL漫画に見る女性のキャリアとは

皆様、おはようございます。
カウンセラー&心理士のあゆみです。

キャリアデザインの授業では、
テスト前の範囲外授業でよくやるのが、
テレビドラマや漫画を題材に、
女性のキャリアの変遷を考えます。

今回はバルブ期から令和までを
OL主人公漫画を読みまとめています。
普段漫画あまり見なくなりましたが、
仕事のため一気に読む!
1980年代から2010年代の代表的な
「OLマンガ」を読みそこから見えた
「働く女性のキャリア観の変化」
をテーマに考えます。

働く女性の「揺れ続ける心」を
表現してきたOLマンガ
「働く」ことについて、女性は悩んでしまう。
もちろん男性も悩みはあるが、
それとは全く別のところで、
「働く」ことと「女性」の間には、
揺れ続ける亀裂が存在する。
男性とは違った、確かな悩みに揺れている。

結婚、妊娠、育児。
仕事とは違ったベクトルの、
重量をもった人生の選択がそこにあるから。
職場で働く女性が主人公のマンガを読んでみると、
キャリアに対してさまざまな思いを抱いていることが分かる。

そしてそれは今の時代だけでなく、
昔から徐々に変わってきた
「女性のキャリア像」に対する葛藤を
しっかりと映している。

●『サード・ガール』
●『るきさん』
に見るバブル時代のOLたち
~余暇を楽しむ余裕と結婚への葛藤~

『サード・ガール』『るきさん』
1980年代後半~90年代前半に流行した、
この2つのマンガにはくっきりとした
違いや揺れが見られる。
80年代後半に人気を博した
『サード・ガール』
「いかにもバブル!」と言いたくなる、
すがすがしいほどにバブルの時代の豊かさを
もったマンガである。
主人公は女子高生(初登場時は中学生で女子大生にまで成長する)、しかし彼女から見た、
「アパレルで働くお姉さん(岸田美也)」が
これでもかと魅力的に描かれている。
大学時代には裕福な歯科医と不倫して
大量のプレゼントをもらったり、
彼女は工学部を出ているにもかかわらず、
工学系の会社ではなく、知人の営む
アパレルに就職……という
キャリアを選んでいる。

今の時代ではまた違ったキャリアになる
のではないかと思う。

90年代前半に流行した
『るきさん』 
こちらは『サード・ガール』とは違い、
在宅仕事という働き方を選び、
あまりお金を
かけずに楽しめる趣味を謳歌する女性像が
描かれている。
「るきさん」は主人公の名前だが、
恋愛よりも女性同士の友人関係の方が
重点的に描かれるのがポイントだ。
どちらも形は違えど、

  • 彼女たちは働いており、一方でマンガそのものは彼女たちの「余暇」を重点的に描く。
消費行動がぐんと盛んになったバブル時代、
憧れとされたヒロインは、しっかりと余暇を
楽しみつつ、仕事もする、
そんな女性だったのだろう。

因みにその後の氷河期世代の私には、「余裕があっていいなー!」という感想しか生まれない。

るきさんも余暇を豊かに楽しむ時間は
たっぷりと持っている、
大人の女性として描かれている。
もちろん実態とは違ったのかもしれないが、
それでも今の私から見ても
時間もお金も余裕がある時代の産物に
見えます。
『サード・ガール』の岸田美也は
結婚ではなく事実婚という形を選ぶ。
るきさんもまた独身というスタイルを貫く。
彼女たちは、
余裕ある余暇を過ごしているように見えて
「結婚」という存在には、微妙に距離を
とりつつ見守る。
働く女性は、バブルの頃から
「結婚」が一つのポイントだったのか……
バブルの時代ですらそこには葛藤が
存在していたのか……と感じます。

●『働きマン』
●『サプリ』に見る平成初期のOLたち
~めちゃくちゃ働く女性に幸福は訪れるのか~
2000年代に流行した
『働きマン』と『サプリ』
「働いてる~~~!」という驚きも含んだ
表情で読まざるをえない。
出版業界で働く『働きマン』の松方弘子、
広告業界で働く『サプリ』の藤井ミナミ。
本当に、ふたりともめちゃくちゃ働く。
作中、名字で呼ばれることが象徴的だが、
男並みに働くことへの葛藤と楽しさを描いた
マンガなのである。
働くことは楽しい。苦しい時もあるけれど、
やっぱりなにか一つのことを頑張ってしまう。
だけど、その先にあるものは、
何なんだろう? という迷いも見える。
バブル期のマンガとは少し毛色が変わり、

余暇を楽しむ余裕もないまま働く女性像、
というのがこの2つの特徴である。
仕事ができるようになりたい。
男性だから女性だからとか、
あまり関係ない。
だけどこの先にあるものは、
私たちを、幸福にするのだろうか?
そしてやはり結婚は遠ざかる。
『サプリ』の中に、
「今まで優等生だったのに、結婚しない今になってはじめて『問題児』扱いされる、税金だってたくさん納めているのに!」という趣旨のせりふが登場する。
――働く女性に、幸福はあるのか? 
あるとしたら、どのような形で? 
漠然とした不安、だけど没頭することへの強さもまた描かれる。
キャリアに悩むとき、この2作品を読むと 
「働く女性の葛藤の全てがここにあるのか!」
と驚く。
例えば、
働くのは好きでも働き続けた末に
プライベートがおざなりになること。
求めているものが何
なのか分からなくなること。
職場で偉くなって自分がどうなりたいのか
分からないこと。
分からないのは
自分のせいなのかもしれない。
だけどその先の幸福に正解があるのかといえば、どこにもない、
という袋小路があるのもまた事実じゃないか。


●『逃げるは恥だが役に立つ』
●『凪のお暇』に見る平成後期のOLたち
~世の中を生きる工夫と選択~

2010年代に流行した
『逃げるは恥だが役に立つ』
『凪のお暇』を見ると、

『働きマン』や『サプリ』で描かれた
働く女性像からは外れた、
疲れたOLヒロインの姿が見える。
就職できずに家事代行の仕事をする
『逃げるは恥だが役に立つ』の主人公
森山みくり。
就職して働くも、さまざまなことに疲れて
無職になり「暇」を謳歌する
『凪のお暇』の主人公・大島凪。
就職やキャリアへの「不安」がベースにありつつも、
その中で自分なりのやり方や、
ペースを獲得していこうとする姿が特徴的だ。
こんな時代に働きすぎても、
幸せは担保されないから……と苦笑した
姿を映し出すかのように、
彼女たちは、生活への工夫、
そして自分なりの心構えの明るさで、
無職や休職期間を楽しむ。
長時間労働やパワハラ上司に搾取されるのも、
ハラスメント気味の彼氏から搾取されるのも、
よくない。
自分の身は自分で守る……と、
働くことへ邁進しすぎることも、
恋愛にのめり込みすぎることもしない。
だけど消費行動で余暇を楽しむほどの
余裕もないから自分なりの工夫をする。
その姿は、「OL」がオフィスで働くことだけ
ではなく、ほかのところにも人生は
広がっているんだと、世の価値観を
反映したように見える。
例えば
「契約結婚」という形で家事をすること、
「自分から仕事を辞める」ことで人生の
あり方を模索すること。
そこまで多様に「OL」のあり方そのものが
広がっている。
常に前を向き行動する主人公たち 
自分も自分なりの正解を見つけたい
いつの時代も前向きになろうとしつつ、
それでも前向きになりきれない
不安や葛藤がその裏にあることがよく分かる。
働きすぎても心配される、
だけど働かないのはもっと心配される。
結婚しなくても不安になる、
だけど結婚してダメな夫につかまるのは
もっと不安だ。
もちろん考えても仕方ない、
と割り切ることも必要だけど、
悩んでしまうのが人生だろう。
それでも主人公たちは、
時にキャリアに、人生に迷いつつ、
前を向いて自分なりの幸福を求めてちゃんと
行動する。
その姿は決して一様でなく、
さまざまな女性の背中が見える。


令和になり
●『家政夫のナギサさん』で、
働き盛りの独身女性が、
“おじさん”家政夫を雇うことから始まる
物語の主人公・相原メイ、製薬会社のMRとして働く独身女性。仕事をバリバリこなし、上司からも期待されているキャリアウーマンですが、その生活力は皆無。散らかり放題の彼女の部屋
にやってくるのが、
おじさん家政夫・鴫野ナギサです。
綺麗に整頓された部屋で、
健康バランス完璧の食事を食べるメイを
見ていると、
整った生活がいかに素晴らしいものなのかを
実感します。
仕事に疲れた人々がを見たら、 
間違いなく
「うちにもナギサさんに来てほしい」と
思うことでしょう。
 仕事ぶりだけでなく、その包容力もナギサさんの魅力。
不器用ながら恋も婚活も頑張るメイの姿、
職場でバリバリと働く爽快感、
家庭で包み込んでくれるナギサさんの癒し……と、
いつの時代も、悩みはある。
しかし、仕事や結婚に葛藤しながら、
個々が色々と創意工夫をして
進んでいく姿が頼もしい。
男性家政婦も時代を表している気がします。
私は、できないことを無理にやり
ストレスを抱えるならば、
お金が解決するのも大切かな?と考えたり。

深夜のドラマで
【家政婦のミタゾノ】をたまたまみたことが
ありますが、男性家政婦も職業選択である
だろうし、家政婦が女性だけと言う考えが
古いのだろうと。
ダラダラと失礼しました。
授業を考えていたらなんとなく
書きたくなり(笑)
今日の授業で話していきます!


霞ヶ関のナカからの女性活躍&セカンドキャリア支援

今は、霞ヶ関のナカに居る カウンセラー&心理士&栄養睡眠改善トレーナー 女性労働協会認定講師 さいとうあゆみです。

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