東京都など新型コロナウイルス感染者の急増もあって同法が規定する「緊急事態宣言」についての関心が高まっています。
実際に宣言するとどうなるのか…
宣言した場合は
改正によって特措法の対象に「新型コロナウイルス感染症」を追加されました。
根幹部分は変わっていません。付帯決議で宣言に際して「やむを得ない場合を除き、国会へ事前に報告する」や専門家の意見を踏まえて慎重に判断するといった内容が追加されています。
同法に基づき首相が緊急事態宣言をすれば、宣言に特定された区域の都道府県知事はさまざまな要請・指示ができます。
1)不要不急の外出の自粛(要請)
2)学校や保育所などの使用の停止も含む制限(要請)。
3)大勢の人が集まる催しものの開催制限(要請)。
新型コロナが厄介なわけ
新型コロナウイルスの脅威の源泉はいまだ「未知」という点に尽きます。
潜在している感染者がどれだけいるのかわからないし、今後広がる不安も致死率が突如高まる危険性も否定できないのです。
季節性インフルエンザは十分に命取りとなる病気とはいえワクチンも抗ウイルス薬も存在します。
新型コロナは正体不明で人類側が武器を持たず、手洗いやうがいといった回避行動しかわかっていません。
ゆえに感染経路が追えなくなると端的にいえば「どこで何が起こっているのかわからない」という底知れぬ心配のどん底へ突き落とされます。法改正時は万一の用意として宣言する余地を残しておきたいという意図もあったでしょう。何人増えたかより重要なのは経路不明の患者数の数および率。そこが厚くなると「万一」に該当するかもしれません。
感染力の強さと致死率の低さはどうやら相関しています。
ウイルスは宿主がそこそこ元気であって初めて存在し得るからです。
バタバタ死なれてしまってはウイルス側も困ります。
その点、新型コロナは感染しても症状が出ないケースすら多々あって、そうした者の行き先で本人も知らぬまに他へ広めてしまうという「利口さ」が小憎らしい。ということ。
結果、感染者という分母が極大化すれば致死率が低くても死者という分子も増えてしまうのです。実に厄介な敵といえます。
09年、WHO(世界保健機関)が今回と同じく「パンデミックだ!」と叫んだ新型インフルエンザ流行の際に政府は法を持たず「行動計画」策定の状態で対応しました。
自治体ごとに休校やイベント自粛要請がわかれ、誰がどのような責任を負って号令をかけるかもハッキリしません。そこで全国知事会が「法的根拠が必要」と政府に要請したのが始まりです。
11年の東日本大震災発生も後押しします。買いだめや売り惜しみなどでモノ不足に陥ったからです。やはり非常時における行政の権限を明確にしておかなければ必要物資の供給まで滞ると危機感が増大。そこで病原性の高い新型ウイルスを「国家的危機」ととらえる特措法が誕生しました。
今回も法的根拠のない首相の要請で混乱を生じてマスクやトイレットペーパーが品薄になるなど物資供給に問題を生じ、あわてて法改正で「根拠」を得ようとしているようにみえました。特措法が作られるまでの反省が生かされなかったのは残念としかいいようがありません。今後やむを得ず宣言するにしても買いだめを誘発したり必需品が店頭から消えるといった事態を加速させたら本末転倒。国家権力たる行政府が法にのっとり要請するから安心して適切に振る舞えるという形にならなければ。
政府と自公両与党はコロナ禍を受けての緊急経済対策を議論しています。
商品券発行や旅行などの割引制度などが検討されているようですが、自粛要請との整合性がチグハグ。
いくら商品券をもらっても病対策のマスクや消毒液、体温計や生活必需品の店棚ががらんどうでは不安は解消されませんし新たなデマの「証拠」にさえされてしまいます。
1日でも早く終息を願いたいです。
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